生理中に下痢しやすくなる理由

生理のたびに下痢になってしまうというお声をよくお聞きします。

毎月のことだからと諦めていたり、自分だけだろうかと不思議に思われているかもしれませんが、今回は、西洋医学と漢方それぞれの視点から、生理中の下痢のメカニズムと対策をまとめます。

原因① プロスタグランジンの影響
生理中の下痢の主な原因は、プロスタグランジンというホルモン様の物質があげられます。

生理が始まると、子宮はプロスタグランジンを分泌して収縮し、経血を体外へ排出するしますが、子宮のすぐそばに腸があるため、プロスタグランジンが腸にも作用してしまいます。

腸の蠕動運動(内容物を先へ送る動き)が過剰に促進されると、水分が十分に吸収されないまま便が排出されることとなり、下痢や軟便になってしまうのです。

プロスタグランジンの分泌量には個人差があり、多く分泌される方ほど腹痛・下痢・吐き気などの症状が出やすい傾向があります。

原因② ホルモン変動と自律神経の乱れ
生理前から生理中にかけては、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが大きく変動します。

このホルモンバランスの変化は自律神経にも影響し、腸が過敏になりやすい状態をつくります。

腸は自律神経の影響を受けやすい臓器です。

生理中はメンタル面でも不安定になりやすい時期のため、ストレスが腸の不調と重なることもあるかもしれません。

漢方では
西洋医学が特定の物質や神経系に注目するのに対し、漢方は体全体のバランスという観点から生理中の不調をとらえます。

●瘀血(おけつ):血の流れの滞り
漢方には「気・血・水」という概念があります。

生理は血が大きく動く時期であり、この血の流れが滞った状態を「瘀血」といいます。
冷え性で血行が悪い方、生理痛が強い方は瘀血の傾向があると考えられます。

瘀血があると子宮まわりだけでなく腸にも影響が及び、痛みや下痢につながると考えます。

●脾(ひ)の弱りと冷え:胃腸機能の低下
漢方では胃腸全体の働きを「脾」と表現します。

もともと胃腸が弱い方や冷えやすい体質の方は、体力を消耗する生理中に脾の機能が低下しやすくなります。

冷たい食べ物や飲み物が症状を悪化させることがあるのも、こういった理由が考えられます。

●肝気鬱結(かんきうっけつ):ストレスと腸の関係
漢方でいう「肝」は、感情やストレスの調整と関わります。

ストレスによって肝気の流れが乱れると、その影響が胃腸(脾)に及ぶとされ、これを「肝脾不和」といいます。

自律神経は腸の動きに大きく影響します。

対策
●お腹を温める
冷えは腸の動きを乱す要因のひとつです。
腹巻きやカイロ、温かい飲み物などでお腹まわりを温めることも助けになるかもしれません。
まずは、冷やさないことは基本的なケアとして挙げられています。

●食事を整える
脂っこいもの、冷たい飲み物、カフェイン、アルコールは腸への刺激になります。
生理中は消化の良いものや温かい食事を中心にすると、症状が和らぐことがあります。

●ストレスへの対処
生理中は無理なスケジュールを避け、休息をしっかり確保することが大切です。
漢方的にも「肝」のケア、つまりストレスを軽減することは、腸の不調を和らげることにつながります。

一陽館薬局では、温める・食事を整える・無理をしないという基本的なケアに加えて、個々人に合わせて漢方でサポートしながら体調の安定をはかります。

早めにご相談いただくことも選択肢のひとつです。

妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。

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