生理サイクルと基礎体温がずれる理由
多くの方が基礎体温を記録されていることと思います。
生理や排卵のリズムを知る大切な手がかりになりますが、「生理が始まっても体温が下がらない」ということが時々見られます。
排卵誘発剤が排卵ペースに影響したり、ホルモン剤により高温期が長く続いたりする人為的な現象は別として、自然のリズムが合っていない、というのは単なる「測り間違い」ではなく、体質や巡りの状態が反映されていると考えられます。
本来なら、排卵後に黄体ホルモンが分泌されて体温が上がり、高温期を経てホルモンが減少すると体温が下がり、生理が始まります。
しかし、この切り替えがスムーズにいかないと”体温が下がらないまま生理が来てしまう”ことにつながります。
漢方的には「生理のリズムと基礎体温のずれ」が生じるいくつかの体質的要因が考えられます。
◎瘀血
=生理痛が強い・塊の混じる経血が出る・顔色がくすみやすい方に多い。
血流の滞りにより、子宮や卵巣の働きが鈍くなっている状態といえます。
生理が始まっても不要な血が残りやすく、排出と体温の切り替えがかみ合わない様子がみられます。
◎熱証
=炎症体質、のぼせやすい、夏に不調が出やすい方に多い。
体内に余分な熱がこもりやすい体質といえます。
生理の出血が始まっても熱が体に残り、体温が下がりにくい様子がみられます。
◎腎虚
=高温期が短い、周期が安定しない、疲れやすい方に多い。
生命力やホルモンの基盤となる「腎」の働きが弱っている状態です。
排卵や黄体期を支える力が不足し、体温の上下がはっきりしない様子がみられます。
◎気血両虚
=生理がダラダラと続く、立ちくらみや冷えがある方に多い。
血液やエネルギーが不足している体質です。
卵胞や黄体の働きが十分でなく、体温の二相性が乱れやすい傾向にあります。
◎肝鬱気滞
生理前にイライラ・胸の張り・ため息が増える方に多い。
ストレスなどで「気」が滞るやすい体質です。
ホルモン分泌を調整する自律神経が乱れやすく、体温の切り替えがスムーズにいかない状態です。
漢方では、血流や熱、エネルギーやホルモンの土台を整えることで、サイクルの切り替えがスムーズになり、体温と生理が自然に一致していきます。
基礎体温表はただの数字のグラフではなく、体の状態をあらわす一つのサインとしてとらえます。
一陽館薬局では、お一人おひとりの基礎体温表を一緒に読み解きながら、ご自身の状態を知ることによりどこに改善ポイントがあるかを見つけて、体のリズムを整えるお手伝いをしています。
排卵日が基礎体温の動きと合っていない、体温は高温期なのに生理が始まる、というかたは”ずれ”を放置せず、早めにご相談いただきたいと思います。
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