焦りの裏側に〜手っ取り早く体外受精とはいかない〜
体外受精が速いと思ったのに案外時間がかかると知り戸惑っています、といった声が聞かれます。
先日、採卵に臨まれたお客さまは、順調に採卵することができ、10個以上の胚凍結に至りました。
しかし、体外受精へのチャレンジを決めてから、説明会、採卵準備周期、採卵周期、採卵後周期、そして回復周期を経て移植周期を迎える・・
そう一足飛びには結果を得るには至らないのは当然です。
人によっては数ヶ月、場合によっては年単位で通院治療を続けられているのが現実です。
「自然妊娠難しいなら、早めに体外受精に進んだ方がいい」
「時間との勝負だから、最短距離で妊娠にたどり着きたい」
今回のお客さまは、年齢的にも余裕があり、不妊原因はなく、「結局のところ自分が不妊症に該当する」と診断されたものの「なぜ妊娠できないかは分からないままだ」と言われます。
体外受精は医療技術を駆使して、“妊娠のきっかけ”を医学的にサポートする手段ですが、それを“受け止める”のは、やはりご自身の身体です。
◎ 子宮内膜の状態は?
◎ 卵子の質は?
◎ ホルモンバランスは整っている?
◎ 血流や冷え、腸内環境はどう?
「受精卵を戻せばすぐ妊娠する」と思われがちですが、実際は“着床できる身体”に整っていなければ、どんなに高い技術でも結果が伴わないことがあります。
だからこそ、体外受精に進む前や、治療の合間に「身体を整える時間」を持つことはとても大切です。
漢方では「補腎」「補血」「理気」「温陽」などの考え方を利用し、妊娠に必要な身体の土台を整えていきます。
生理周期、日頃の体調、舌の状態などを細かく見ながら、その人に合った体づくりを重ねていきます。
地味な時間に感じられるかもしれませんが、「遠回り」のようでいて、実は“妊娠しやすい身体”への最短ルートになるケースがあります。
治療が長引くと、どうしても「次こそは…」と焦ってしまいがちです。
でも、焦りや不安はホルモンバランスを乱し、かえって妊娠しづらい状態をつくってしまうこともるのではないかと思います。
一陽館薬局では、心のケアも含めてお一人おひとりに合ったサポートを行なっています。
体外受精は“ゴール”ではありません。
むしろ、そこからがスタートであることも少なくないのです。
だからこそ、私たちは、いったん立ち止まり、身体の声に耳を傾けようとするお客さまの歩みに寄り添いたいと思っています。
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