漢方的にも「世界腎臓デー」を。
毎年3月の第2木曜は「世界腎臓デー」だそうです。
慢性腎臓病の早期発見と早期治療を啓発するためとのことですが、実際、日本でも1300万人(成人8人に1人)を超える患者さんがおられ、「新たな国民病」と注目されているようです。
ところで、腎臓といえば、漢方でも五臓⇒<肝><心><脾><肺><腎> のひとつで、内臓機能の要です。
<腎>は、「腎臓」としての役割に加え、漢方では「生殖」「内分泌」「精力」を担い、体を木にイメージすると<腎>は「根」にあたります。
根は地下でしっかりと本体を支え、木が生育するための必要な養分を吸収しています。
新たな生命をうみだす力も腎の働きが中心となります。
元気な卵子や精子をつくり、ホルモン分泌を行い、育つエネルギーを確保していきます。
成長・発育・生殖・老化は<腎>の力次第です。
妊娠を維持することが母体にとって負担となってくると、むくみや妊娠中毒症になって腎機能が低下しますが、漢方には「補腎」という考えがあり、腎の働きを補って生殖活動を助けることができるのです。
加齢も、卵子精子の質も、ホルモン分泌や指令を出す脳も、着床や妊娠を維持する力も、腎に宿るといえます。
健康なときは、尿トラブル以外で腎臓を意識することは少ないかもしれませんが、奥深い腎臓の役目に思いを巡らせるのも感慨深いものです。
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