極端にANHが低いのは
実年齢に対して卵巣機能が良好または低下という状況は、個々人によりますが、想定を超えてANH値が低いかたも中にはおられます。
AMHが低い理由を漢方的な側面から考えてみますと、「なぜ卵子のもととなる細胞が少なくなったのか?」という点に着目することになります。
卵子を生み出すもととなる力を漢方では「腎精」といいますが、先天的に受け継いだ以外は、すべて後天的要因になります。生まれた時から持っている卵子の数が少ない場合を除くと、生まれてからの生活の中で病気や食事などの体力を支えるエネルギー源の消耗が多すぎて生命のもととなるエネルギーまで足りない状況になってしまうことが考えられます。
比較的耳にすることが多い「ダイエットによる栄養不足で生理が止まってしまった」とか「仕事のストレスで生理が来なくなってしまった」とかいう例などは、不足や消耗の表れとして対応してまいります。
今回のご相談のように、幼い頃からのアトピー性皮膚炎で20年以上ステロイド剤を使い続けてこられたケースも、薬剤の副作用だけの問題ではないかもしれませんが、年齢のわりにAMHがとても低くなっているようです。
主作用と副作用の関係で、メリットがデメリットを上回るという判断が優先されることもあると思いますが、ご自身でも自己管理のひとつとして薬の性質を把握しておかれることも大切かと思います。
ピルも効果的に活用すれば、大きなメリットがあるものだと思いますが、便利さで見えにくくなっている部分にも注意して適切に用いることが必要だと感じることもあります。
「薬」はお客さまの笑顔につながるものであってほしいと思います。
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