年齢の壁が見えたとき〜40代の妊活〜
「これが年齢の壁なんだと思いました。」
先日、41歳で化学流産となったお客さまからのご相談です。
40代の妊活では、このように“年齢”を意識せざるを得ない瞬間が訪れます。
年齢は「妊娠力の傾向」を示す指標ではありますが、見方として、どこを整えれば妊娠維持につながるかを知るものと考えると、受けとめ方も少し変わるかもしれません。
とはいえ、年齢とともに自然と変化する「卵子数・卵子の質」は、時を遡ることができない現実でもあります。
卵子数は胎児期がピークで、生まれた瞬間にはすでに100万個から減少が始まり、思春期には約30万個、35歳を過ぎる頃から減少スピードが加速することが知られています。
そして、卵子の染色体の不一致は年齢とともに増え、染色体異常率は、
・35歳前後:およそ40%
・40歳:60%前後
・41〜42歳:70%以上
と言われ、これは化学流産・初期流産の増加とも深く結びついています。
つまり、41歳で化学流産が起きた要因には、“卵子が育つ過程で染色体のズレが起きやすい”という年齢的特徴がありますが、「着床しようとした」という事実は、妊娠力そのものが働いている証拠とも考えられます。
また、個人差は大きい要素ですが、一般的に妊娠に関わる力は卵子の質だけではなく、体力・血の量と質・新陳代謝といった全体としての総合力の低下も影響します。
医学的にも、40代は基礎代謝が20代より約15〜20%低下し、回復力や細胞修復のスピードも低下へ向かいます。
ネガティヴになりがちな状況にあっても、妊娠維持の力を少しでも高めることができれば前向きな取り組みにつながるのではないでしょうか。
・子宮内膜を育てる力
・着床後のホルモンバランスを保つ力
・赤ちゃんの成長を支える体の“底力”
年齢とともに少しずつ消耗していくことは避けられなくても、自然に消耗する以上に”消耗につながる要因”をケアすることで消耗を最小限に食い止めるようにすることも漢方の得意とするものです。
漢方では、40代の妊活で特に大切にするのは次の3点です。
1)卵子の質を底から支える「腎」(=生殖の源)の力を補うこと
→生殖の土台となる精を養う。
2)子宮内膜を育てる「血」(=子宮を養う栄養)を増やし、めぐらせること
→居心地のよい着床環境に整える。
3)妊娠を維持する「気」(=支える体力)を充実させること
→着床後の揺らぎを防ぎ、赤ちゃんを守る力を高める。
これらは、高く越えられない“壁”ではなく、壁の高さは変わらなくてもご自身の立ち位置次第で”壁の見え方”は変わってくるのではないかと思います。
年齢を重ねるからこそ、必要な部分を丁寧に補い養うことで、同じ年齢でも、妊娠力は大きく変わってきます。
「年齢的にあきらめるか・・」は大きなテーマですが、ひとりで抱え込まずご相談いただき、前向きな一歩へのきっかけにしていただければと思います。
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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