子宮筋腫と体外受精
体外受精をするカップルが増加し、妊娠に恵まれる方が増える一方、様々な歪みも混在するように感じます。
妊娠前から1㎝程度の子宮筋腫があった美香さん(34才・仮名)は、体外受精を経て妊娠されました。
2回目の採卵で得られた分割胚を移植されました。
初回の採卵時から、月経周期の調整や排卵刺激、黄体期維持など様々な薬が途切れることなく、約1年を過ごされ、心拍確認に至った今、ようやくホルモン治療を卒業しようとされています。
妊娠初期の不安定な時期です。
ときに出血がありますし、腹痛がない日はありません。
医師からも安静の指示があり、仕事を休んで2か月、漢方安胎薬を服用しながら、慎重に過ごしてこられました。
妊娠することが最優先の治療が成功したのですが、気がかりな事も同時に発生してきました。
妊娠を妨げる心配がない、とされてきた子宮筋腫がホルモン治療を終了する頃には、6㎝まで大きくなってしまった、というのです。
不安そうな美香さんには、ホルモン剤の影響で子宮筋腫が大きくなったため、出血と腹痛が起きている、との説明があったそうです。
漢方での子宮筋腫対策は、駆瘀血、つまり子宮や骨盤内腔の血行を良くして滞りなくめぐるようにしていくのですが、妊娠中はこの方法はできません。
しかもご本人の体質が原因ということではなく、ホルモン剤の副産物であるので、単純に体質改善とは言えないのです。
毎日のご相談で、このような状態は、頻繁にみられます。
とにかく、無事にご出産を迎えていただけるよう、精神的なケアも含めてカウンセリングを重ねていきたいと思います。
妊娠中の体調管理に、漢方をご活用頂きたいと思います。
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