子宮内膜症と体外受精の考え方
「子宮内膜症があると体外受精でも難しいですか」
「体外受精に進んだ方がいいのでしょうか」
というご相談をよくいただきます。
医学的には、子宮内膜症が妊娠に影響する点は、
・骨盤内の炎症
・卵管や卵巣周囲の癒着
・卵の質や排卵環境
等が考えられます。
これらの影響が強い場合、自然妊娠が難しくなり、体外受精が選択されることがあります。
一方で、子宮内膜症があっても排卵が安定し、卵巣機能が保たれているケースでは、必ずしも急いで体外受精に進む必要がない場合もあるかと思います。
妊娠に成功されたお客さまを振り返ると、「治療を選ぶ前に、今の体の状態をしっかり見極めている」という共通点があると感じます。
また、子宮内膜症と体外受精を考えるうえで、見過ごせない注意点が、ホルモン刺激との向き合い方です。
子宮内膜症はエストロゲンの影響を受けやすい疾患であるため、ホルモン治療を繰り返すことで、
・炎症が強まる
・チョコレート嚢胞が大きくなる
といったリスクが指摘されています。
そのため、体外受精を選ぶ場合でも、
「たくさん卵子を獲得したいから、強力に刺激すればいい」
「回数を重ねれば何とかなる」
という考え方ではなく、反応を見ながら慎重に進めることも大切ではないでしょうか。
漢方的にみると、体外受精でうまくいっているケースほど、
・採卵前後の体の消耗が最小限
・炎症や冷えが強く出ていない
・回復が比較的スムーズ
という特徴があります。
これは、治療の方法だけでなく、治療を受ける体に余裕があることを意味しています。
ここでは、年齢別の現実的な”妊活戦略”をご案内したいと思います。
たとえば30代前半までの方で、子宮内膜症が軽度、卵巣機能が保たれている場合は、体づくりを並行しながら自然妊娠やタイミング法・人工授精を検討する余地があります。
「急ぎすぎない」という選択が、結果的に近道になることもあります。
一方、30代後半以降になると、子宮内膜症の影響に加えて、年齢による卵子の変化もチェックが必要になります。
この年代では、体づくりで妊娠しやすい環境を整えつつ
体外受精の必要性を見極めるという、両立型の戦略が現実的になるケースも増えてきます。
40代に入ると、より時間的な制限を意識することになりますが、回数よりも質、刺激よりも回復という点が、結果にも反映されることがあります。
年齢が高いから急がなければならない、という偏った観点だけでなく、今の体・年齢・治療の負荷をどう組み合わせるかが妊活戦略として大切になります。
妊活の選択肢は一つではありません。
大切なのは、今の自分に合った現実的な道筋を選ぶことですね。




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