子宝漢方で体づくり〜自律神経の乱れと妊娠〜
春は「自律神経が乱れて・・」という声を聞く機会が多くなります。
寒暖差や生活の忙しさ、環境変化など、体温調節にもストレス対応にも不安定さの修復にも自律神経はフル稼働する時期ですね。
自律神経の乱れとホルモンバランスの乱れは密接で、睡眠不足や生活リズムの乱れで生理不順や生理前に吹き出物が出たといった経験がある方もいらっしゃると思います。
仕事や試験などのプレッシャーでストレスがかかると生理が来なくなったりすることもあります。
妊娠においても自律神経の乱れは、ホルモンバランスに影響します。
女性の生殖機能は、視床下部・下垂体・卵巣の連携(HPO軸)によってコントロールされていますが、自律神経が乱れるとこのバランスが崩れ、ホルモン分泌に影響を及ぼします。
まず、視床下部の働きが低下すると、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の分泌が不安定になり、それに伴って下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)も減少し、卵胞の成長が遅れたり、排卵がスムーズに起こらなくなったりすることで、妊娠しづらい状態となってしまいます。
また、卵巣機能が低下するとエストロゲン(E2)の分泌量が減り、子宮内膜が十分に厚くならず、受精卵の着床が難しくなることもあります。
特に、ストレスによる自律神経の乱れは、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)の過剰分泌を引き起こし、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌を抑えることとなり、受精卵の着床に必要なホルモンの不足による黄体機能不全となり、高温期が短くなるなどの影響がみられます。
結果、妊娠しにくくなったり、着床しても流産しやすくなったりするとされています。
また、ストレスを受けると下垂体から分泌されるプロラクチンの量が過剰になりFSHやLHの分泌が抑制され、排卵障害につながります。
本来、プロラクチンは授乳期に分泌が増えるホルモンですから、妊娠していない状態で過剰に分泌されると、生理が不順になったり、排卵しにくくなったりするため、妊娠を妨げる大きな要因となります。
自律神経が正常に働くためには、交感神経と副交感神経のバランスが重要ですが、現代の生活ではストレスや不規則な生活習慣によってこのバランスが崩れやすくなっています。
交感神経が過剰に優位になると血管が収縮し、卵巣や子宮への血流が低下して十分な機能が保たれなくなります。
一方で、副交感神経が十分に働かないと、睡眠の質が低下し、メラトニンの分泌が乱れてしまいます。メラトニンは卵子の質を守る抗酸化作用があるため、不足すると卵子の質が低下する原因となります。
このように、自律神経の乱れはホルモンバランスの乱れにつながり、排卵や受精、着床に好ましくない影響が及びます。
では、妊娠しやすい体を作るために、自律神経を整えるにはどうすればよいでしょうか。
◎体内時計を正常に機能させましょう。
例えば、朝日を浴びる、夜はスマートフォンを避けて睡眠の質を高めるなど、自律神経を安定させるのに役立ちます。
◎食事は体づくりの基本。
タンパク質をしっかり摂ることでホルモンの材料を補い、鉄分やビタミンB6を意識的に摂取することで血流を促し、卵巣機能のサポートに役立ちます。
体のコンディションとメンタルバランスとホルモン分泌が繊細なバランスを保つ点からも、漢方では自律神経を整えることは得意領域です。
ストレスによる影響を緩和し、体の中から温め巡りをスムーズにすることを中心にホルモンバランスを整える様子働きかけます。
春の妊活は、激しい気温の変化により自律神経が乱れやすくなります。
一陽館薬局では、ゆったり十分にお話をしていただきながらリラックスしていただくとともに、お客さまに最適な処方をご案内します。
ストレスをうまくコントロールし、生活習慣を整えることが、妊活の大切な一歩になるのではないでしょうか。
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