妊娠力回復に必要なこと 〜43歳からの妊活で大切にしたいこと〜
43歳からの妊活は、保険診療の対象から外れることもあって「もう無理かもしれない」という思いがいっそう強く感じられるとお聞きします。
健康保険が適用されないことが確定した時点で、今後の妊活についていったん立ち止まって考えてみる方も多いようですが、今までの不妊治療を顧みた時、「自費診療で続ける意味」は大切な要件ではないでしょうか。
中には、費用をかけることが効率アップにつながるかについても、よく考えるべきかと思います。
2022年4月からの保険適用により、多くのご夫婦が体外受精などの高度生殖医療を受けやすくなりました。
しかし、43歳を超えると原則として保険での不妊治療は受けられず、自費診療へと切り替わります。
これは、年齢によって妊娠の確率が大きく低下する現実と、医療資源の配分を考慮した制度設計といえるでしょう。
ですが、「保険が切れた＝妊活終了」ではありません。
むしろ、そこからこそ、自分自身の体としっかり向き合い、本質的な「妊娠しやすい体づくり」へとシフトするタイミングともいえます。
今回は、不妊治療を続けるにしても自然妊娠をめざすにしても、妊娠のためにに必要なことについて漢方の視点から挙げてみたいと思います。
漢方では、妊娠力（妊孕力）とは単に卵子の数や質の問題だけでなく、「全身のバランス」から生まれるものと考えます。
すなわち、心身ともに健やかであることが、自然と妊娠につながる条件であり、具体的には、血の巡りがよく、ホルモンを司る肝や腎の働きが充実している状態をいいます。
まず、43歳からの妊活では、特に「補腎」が中心となります。
腎は生命力の源とされ、生殖機能や加齢と深く関係する臓です。
加齢によって腎の力が弱まると、卵巣機能の低下やホルモンの乱れ、子宮内膜の薄さ、冷えや疲労感として現れます。
これを補うのが、漢方薬による腎のケア＝「補腎」にあたります。
また、血流を改善し、子宮や卵巣への栄養供給をスムーズにすることも重要です。
加齢に伴う血の滞り（瘀血）があると、着床しづらくなったり、月経が不安定になることもあります。
そのため、漢方では滞りのないスムーズな血流に整える＝「駆瘀血」作用により、「赤ちゃんを迎える環境整備」を丁寧に進めていきます。
そして、漢方で身体の状態と同じように大切に考えるのが「心のケア」です。
妊活が長期にわたると、焦りや不安が常に心を支配し、自律神経やホルモンバランスに影響を及ぼします。
漢方では、気の巡りを整えることで心の緊張を和らげ、リラックスした状態を保つことも妊娠力の一部と捉えています。
保険診療が一区切りとなっても、妊活を続ける道はあります。
今回のブログのタイトルに、妊娠力の「回復」という表現を用いたのは、不妊治療の過程での薬剤やストレスによって多くのケースで、本来の「妊娠できる力」が見失われているように感じるからです。
採卵できた数や質にとらわれ、体の声を聞き入れずことなくご自身を追い込んでいくことで、ご自身に備わっているはずの妊娠力が十分に発揮できない状況にあるならば、まずは回復することから始めてみましょう。
回復したらさらに充実をめざしましょう。
今、お客さまのお体にある”自然の妊娠力”が活躍できるよう補うのが漢方の役目です。
一陽館薬局では、
何十回も採卵してきて、もう卵子は無くなってしまったのかもしれない、
イチから立て直して、どうしても授かりたい、
と願うお客さまからのご相談が増えています。
自分自身を丁寧に整え、焦らず、諦めず、でも頑張りすぎず、ご自身の妊娠力を信じて、歩みを続ける方に寄り添ってまいります。
※ブログで取り上げて欲しいテーマはInstagramDMまたは公式LINEメッセージにて受付中
◎陽子先生妊活Instagram
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