妊娠力は髪に?〜血余とは〜
髪の毛は、「見た目」の問題でもありますが、妊娠力を推し測るバロメーターでもあります。
漢方では、髪の毛は「血余(けつよ)」と呼ばれ、体内に巡る「血(けつ)」の状態を表現しているとされています。
血は、身体を潤し、栄養を運び、心と体の健やかな営みを支える根本的な存在ですが、そんな血の“余り”が髪となって現れるとする考え方が「血余」です。
この「血余」の考え方は、妊娠とも深く関係しています。
髪の状態を見ることで、内面のバランスを推測することができるのです。
「血余」とは、身体が生きていくために必要な血(けつ)をしっかりと生成し、内臓や脳、筋肉など重要な器官に充分な血を供給したあとに“余った”血が、髪や爪に向かって使われるという考え方です。言い換えれば、髪の毛がつややかでしっかりしている状態は、体内に余力がある証拠といえます。
逆に、髪が細くなった、抜け毛が増えた、パサつきや白髪が目立つ・・・そんな変化が見られるとしたら、栄養やエネルギーを生命維持に必要な部分に優先的に回し、髪や爪などの“末端”には行き届いていないのかもしれません。
つまり「血余」に不足があるということは、妊娠の準備不足のあらわれとも考えられるのです。
妊娠とは、生命を新たに育む営みであり、そこには、子宮を温かく潤し、受精卵が根を張る土台となる「血」の力が欠かせません。
もし身体が必要な血を生み出せていなければ、まずは命に関わる内臓の維持が優先され、子宮や卵巣、そして髪や肌に回るはずだった「血余」は減少します。
その結果、妊娠に必要な身体の土台が整わない状態が続くのです。
「最近、髪が細くなった」「抜け毛が増えた」「爪が割れやすい」といった変化は、体内の血虚状態、つまり血の不足を示すサインであり、“妊娠の準備が整っていない”という表れでもあるのです。
授かる力を養うには、血余を育てる日々の養生が大切であり、まず血をしっかり補うことが必要です。
日々の生活の中で以下のようなポイントに意識を向けてみましょう。
◎栄養バランスの見直し
鉄分やタンパク質、ビタミンB群をしっかりと。特に赤身の肉やレバー、貝類、緑黄色野菜、豆類などがおすすめです。
◎消化吸収力の強化
いくら良いものを食べても、吸収できなければ意味がありません。胃腸の調子を整えることも「血」を作る力の一部です。冷たい飲食や食べ過ぎには注意しましょう。
◎ストレスのケア
血は「肝」によって管理されています。イライラや過剰な緊張は血の流れを滞らせ、髪にも子宮にも悪影響を及ぼします。深呼吸や、リラックスできる時間を日常に取り入れましょう。
◎漢方による体質改善
血虚や腎虚、脾気虚など、それぞれの体質に応じた漢方薬で、根本からの体質改善が可能です。髪や爪の変化はもちろん、月経や基礎体温、睡眠、肌の調子まで含めて総合的に診ていくのが漢方の強みです。
妊娠しやすい身体とは、単に「排卵している」「ホルモン値が基準内にある」といった表面的に表れる条件だけではありません。
漢方では、血が充実し、それが余るほどに身体が満ち足りていてこそ、命を育む余力があると考るのです。
髪の毛が授かる力の全てを示すわけではありませんが、いくつかの要因が考えられる中のひとつのヒントだと思います。
髪の毛に自信がない方、最近髪の毛が頼りないと感じる方は、ぜひご相談ください。
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