妊娠体質の根幹 ~その「冷え」はどこから?~
体の冷えを意識する季節がやってきました。
秋から冬にかけて、「手足が冷たくて眠れません」「血流が悪くて…」というご相談が増えてきます。
妊娠・出産を考えるかたには、特に冷えは”ただの体質”では済まされないことでしょう。
実は“冷え性”には、外から感じる冷たさと、体の内側に生じる「内面の冷え」があります。
厚着や靴下、カイロなどは、冷気との接触を避けて体の熱を逃さないようにする“外からの冷え”への対策ですが、漢方で改善をめざすのは、体の内側から巡りを整えながら温かさを育てる“中からの冷え”対策です。
体の冷えは、生活習慣との関連も強いことから、ご自身のタイプを知って”内と外”の両方の対策をうまく組み合わせることで、冷えに強い体をつくっていきたいものです。
漢方では、「冷え性」を一つの症状として見るのではなく、体のバランスがどのように崩れているのか、という内面の状態から考えていきます。
冷え方の特徴から、大きく分けて3つのタイプが挙げられます。
① 全身がいつも冷たいタイプ(「血虚」・「気虚」タイプ)
季節に関係なく、身体全体が冷えているタイプです。
体を温めるための“血”や“気”が不足している状態で、せっかくお風呂で温まっても、上がった途端にすぐ冷えてしまう傾向があります。
このタイプの方は、胃腸が弱く、食べたものから十分にエネルギーを作り出せないことが多いため、疲れやすく、立ちくらみやめまいを感じやすい傾向があります。
経血が薄い、軟便になりやすいといった不調も現れやすく、体を温めるにはまず“エネルギーを生み出す力”を整えることが大切です。
② 手足の先から冷えるタイプ(「瘀血」タイプ)
最も多く見られるのが、このタイプです。
血の流れが滞ってドロッとした状態になり、末端まで温かさが届かず、手足の末端から冷えやすくなります。
顔や頭が熱くなるのに足が冷たい「冷えのぼせ」も特徴のひとつ。
血行不良による生理痛、頭痛、肩こり、経血の黒ずみ、肌のくすみなども伴いやすく、体を“温める”だけでなく、“流す”ケアが必要です。
体の中で温めようとしても、滞りがあると熱がうまく巡らず、かえってのぼせやすくなることもあります。
そのため、無理に温めるよりも、血の流れを整えて自然に温かさを取り戻すことがポイントです。
③ 腰や下半身が冷えるタイプ(「腎虚」タイプ)
代謝が落ち、体の働き全体が弱ってくると、体を温める力そのもの(=陽気)が不足して冷えやすくなります。
漢方では、生命エネルギーの源である「腎」が関係しており、腎の力が弱まると、腰や下半身の冷えが目立つようになります。
おりものの減少、排卵不順、不眠、腰痛、足腰のだるさ、夜間頻尿などが現れやすく、「温める力」を支える根本のエネルギーを養うことが大切です。
単なる温めではなく、体の“芯”を整えるイメージです。
冷えの感じ方は人それぞれですが、どのタイプにも共通していえるのは、「内側から温める力を育てること」が妊娠力を支えるということです。
外から守るだけでは、体の中は冷えは解消できす、すぐに冷えが戻ってしまいます。
体の中にしっかりと巡りと温もりを養うことが、子宮や卵巣の働きの充実にもつながります。
寒さが深まる季節は、自分の冷え方を見直すチャンスです。
健康のためにも、ご自身の体質に合った漢方と養生で、芯から温まる“冷えにくい体づくり”を始めましょう。
一陽館薬局では、頑固な冷えにもお一人おひとりに合ったアドバイスをおこない、体質改善をサポートします。
冷えによる不調が現れる前に、適切な対策をして冬場の妊活の効率を上げることをめざしましょう。
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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