“妊娠を続ける力”を育てるには

「着床反応はあるのに、早い段階で流れてしまう」
「検査では異常なしと言われたけれど、なぜ妊娠が続かないの?」
そんな切実なお声を、妊活相談ではよく伺います。
中には何度も流産を経験されるかたもおられます。

妊娠は、受精卵が子宮に“着床する”ことで始まります。
そして、着床したあとに育ち続けることがだいじなことで、そのためには母体がしっかりとその命を支えるだけの力を備えていなければなりません。

漢方では、この“妊娠を続ける力”を「気」と「血」の充実、そして「血の巡りの良さ」で支えると考えます。

◎気虚∶「支える力」の不足
着床後、胎を支えるためには「気(エネルギー)」が欠かせません。
気が不足すると、体の働き全体が弱まり、せっかく芽生えた命を支える力が続かなくなってしまいます。
疲れやすい、息切れ、冷え、むくみ、食欲不振といった症状は、気虚のサインです。

◎血虚∶「内膜を育てる栄養」の不足
血が不足していると、子宮内膜に十分な栄養と温かさが届かず、受精卵が根を張る「土台」がもろくなります。
月経量が少ない、顔色が白い、爪が割れやすいなどは血虚の特徴。
妊娠を続けるためには、血をしっかり養うことが欠かせません。

◎瘀血∶「血の滞り」による環境の悪化
さらに、流産をくり返す方に多いのが「瘀血」です。
血の流れが滞ると、子宮や卵巣への酸素や栄養が十分に届かず、胎を支える環境が不安定になります。
子宮内膜の血流が悪いと、着床しても成長が止まりやすくなってしまうのです。

◎卵巣機能は生命力の源
当然のことながら卵巣機能の低下は根本的な妊娠力の不足を意味します。
卵巣は卵子を育てるだけでなく、着床後の妊娠維持に必要な黄体ホルモンを分泌しています。
このホルモンが不足すると、内膜を厚く保つことができず、妊娠を続ける力が弱まります。
この「卵巣の疲れ」は、卵巣だけの問題ではなく気虚・血虚・瘀血といった「卵巣機能を支える力」と密接に関わっています。
つまり、全身の気血の流れを整えることが、卵巣機能の回復にもつながるのです。

漢方では、「着床=ゴール」ではなく、「着床が続く体づくり」を目指します。
気を養い、血を増やして巡らせ、滞りを取り除くことを積み重ねが、妊娠を支える根本的な力となります。

検査で「異常なし」と言われても、妊娠を支えるバランスが崩れていれば、その中で小さな命を守り続けることは難しくなります。

一陽館薬局では、漢方の“全身の調和”を大切にした体づくりを重視します。
漢方で流産しづらい体づくりを目ざしましましょう。

妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。

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