妊娠へのみちすじ~卵管造影検査~
妊娠を希望している方にとって、あらゆるチャンスを可能性に変えることはとても重要になりますね。
体外受精だから卵管は関係ない、人工授精で妊娠率を少しでも上げたい、と考えておられたならば、それはすべての排卵をチャンスにできていると言えるでしょうか?
採卵の前後周期や移植待ちの期間でも、排卵は貴重なチャンスです。
その大切なチャンスを生かすのが卵管の通過性にあるということです。
卵管造影検査は不妊症の基本検査の一つで、子宮から卵管に造影剤を注入し、その通過性や形状を確認する検査です。
精子と卵子が出会うためには、卵管というスムーズな ”通り道” が必要不可欠だからです。
卵管が詰まっていたり、癒着があったりすると、いくら排卵しても、またどれほど質の良い精子が存在しても、受精は起こりません。
卵管造影検査は、こうした物理的なバリアの有無を見極める上で非常に有効であり、さらに「検査後に妊娠しやすくなる」という指導も聞かれます。
その理由は、造影剤が卵管の微細な癒着や詰まりを押し流し、一時的に通過性が改善するためと考えられています。
漢方では、「通らない」「滞る」状態を「瘀血」という概念で捉えます。
瘀血とは、血液の流れが滞り、局所に淀みが生じている状態をいい、月経痛や血塊の混じった月経、くすんだ肌色、しこり、刺すような痛みなどは、瘀血の代表的なサインです。
卵管周囲の癒着や、慢性骨盤内炎症といった器質的な障害も、漢方的にはこの瘀血の一種と考えることができます。
瘀血の状態が続けば、卵管の動きが悪くなり、卵子のピックアップ障害や受精卵の通過不全につながる可能性があります。つまり、「妊娠への道」が、どこかで渋滞を起こしているのです。
卵管造影によって物理的な通過性が確認されるとともに、漢方では瘀血を解消することによって、体内の「流れ」をスムーズにしていきます。
また、瘀血体質の背景には「冷え」や「ストレス」「虚弱体質」が潜んでいることも多く、それぞれに応じた補助処方を併用しながら、全身のバランスを整えることも大切です。
妊娠とは、命の流れがつながる奇跡といえます。
その起点にある「通り道」、つまり卵管が滞りなく機能しているかどうかは、非常に重要なポイントです。
現代医学の検査でその通過性を確認しつつ、漢方の視点で滞りをほどいていくことで、妊娠への可能性はぐっと広がっていきます。
”瘀血をさばき、流れを正す” それは、ただ体の通り道を整えるということにとどまらず、心と体全体のリズムを調えるという意味でも、大きな価値があります。
一陽館薬局では、妊娠へのみちすじを拓くための具体的なアドバイスをしながら、背中を押してほしいお客さまの力強い味方となって、お一人おひとりが新しい命を迎えられるまでの道のりに、じっくりしっかり寄り添ってまいります。
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