妊娠の妨げとなる要因~痰濁は胞宮を塞ぐ~

妊娠に向けての体質改善において、漢方で重要視される「瘀血」は、「血(けつ)」の滞りを意味しますが、「水(すい)」の滞りも要因となります。

体の中に滞った「不要な水分」や「濁ったもの」を意味するものとして「痰濁(痰湿)」という状態があります。
正常な水分は「津液(しんえき)」として体を潤しますが、代謝がうまくいかずに停滞すると、それが「湿(しつ)」となり、さらに粘度が増して濁った状態になると「痰濁」となり、妊娠を妨げる体質要因となります。

痰濁が生じる要因としては、「脾」=胃腸 の弱りによる水分代謝の低下、脂っこいものや甘いものの摂りすぎ、
運動不足による代謝機能の低下、ストレスによる「気」の巡りの滞りなど、生活習慣や体質的傾向が挙げられます。

漢方には「痰濁は胞宮を塞ぐ」という謂れがあります。
胞宮とは、子宮を含む女性の生殖器全般を意味する言葉で、そこに痰濁がたまると、さまざまなトラブルが起こるとされています。
●排卵がうまくいかない(卵胞の発育不良や無排卵)
●受精卵の着床が妨げられる
●子宮内膜が厚くならない・質が悪くなる
●ホルモンバランスの乱れにつながる
痰濁は粘り気があり、流れを滞らせる性質があるため、血流や気の流れを妨げてしまいます。
その結果、子宮や卵巣といった生殖器官の働きが低下し、妊娠の成立が難しくなってしまうのです。

痰濁体質の方に共通してみられる特徴的な症状を挙げてみます。
●肥満・体が重だるい
●お腹の張りや消化不良、げっぷが多い
●めまい、頭が重い、集中力の低下
●おりものが多く、粘っこい
●舌に白くて厚い苔がついている
●無月経・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

特に、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」は、漢方的に見ると痰濁によって卵胞の成熟や排卵が阻害されている状態ととらえられます。
実際、PCOSの方は痰濁体質であることが多く、痰を取り除く漢方処方が効果を発揮することもあります。

痰濁を取り除くには、まず「脾(=胃腸)」の働きを整え、水分代謝をスムーズにすることが大切ですから、脂っこいものや甘いもの、冷たい飲食物を控えて、温かく消化によいものを選ぶ(例:おかゆ、煮物、生姜入りのスープなど)、また、はと麦、とうもろこし、冬瓜、陳皮などの“利湿”作用のある食材を取り入れるなどを意識した食養生がおすすめです。

一陽館薬局では、不妊相談のお客さまでは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方も多く、傾向として排卵誘発剤の効率が得られにくく、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクもあり漢方でのサポートを求められることが多いトラブルといえます。
生理不順や排卵が遅れがちなど、漢方の特性を生かして「体づくり」を進めることで根本的な解決を促すことに成功しています。
日々の生活習慣との関連もあることから、じっくりお話をうかがいお一人おひとりに適切な漢方をご提案しています。
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