妊娠に関わる春の ”3つの「虚」”
漢方の体質判断には、「虚」「実」があるとされます。
「虚」は、不足、弱い
「実」は、過剰、強い
のようなイメージを示し、対義の関係にあります。
春に体調を崩しやすい方に特徴的なのが、3つの「虚」です。
「気虚」;自律神経のバランスを崩しやすい、寒暖差に弱い、風邪をひきやすい、疲れを感じやすい
「血虚」:経血が薄く少ない、集中力がない、立ちくらみ、肌や髪の乾燥、体がすぐ冷える
「肝虚」:経血量が少ない、目が疲れやすい、夢を見ることが多い、睡眠途中で目が覚める、
寒い季節の「充電モード」から、季節の移ろいに合わせて「活動モード」に切り替わる調整期間には、多くのエネルギーが必要となりますが、元の体質として不足がある場合、足並みが揃わずバランスを崩してしまうのです。
3~4月の基礎体温に乱れがある場合には、これらを中心に補うと効果的です。
今回ご相談いただいたお客さまは、手足がいつも冷たく、お風呂で汗をかくほど温まっても、出たらスーッと身体から温かさが抜けていくように冷めてしまう・・と言われます。
さらに、生理の量も年齢とともに減って正味の生理日数は1日半ほど。
爪が変形したように波うち、欠けたり割れたりしやすく、髪はハリ·コシがない。
お肌はカサカサして、乾燥性の痒みがあり、胃腸が弱い体質です。
ご相談をいただいた時、例えば、漢方的には採卵に向けて腎精を養うとか、移植に向けて定着力を支えるような環境づくりとか、を中心にご案内をしていきますが、今回のように、お体そのものが不安定な事情がある場合は、まずは何よりも「そのものの補強」が最優先だと思います。
つまり、妊娠を保つ本体が軟弱なままだとすれば、いくら妊娠できる機能が備わっていても、その機能を十分に発揮できないと思うのです。
私たちの目的地は、採卵の成績云々でもなく、着床し妊娠することでもなく、最終的に無事にお元気に出産の時を迎えていただくことです。
そういう視点に立ったときに、不可欠なのが「体調」です。
バランスのとれた安定した体力が必要です。
自信を持って妊娠を受け入れていただけるよう、子宝漢方では、体づくりを支えてまいります。
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