妊娠しやすさの条件~幸せホルモンと緊張ホルモン~
妊活のご相談をお受けしていると、体の調子だけでなく「心の状態」が妊娠力に大きく関わっていることを日々感じます。
今回は、いわゆる“幸せホルモン”と“緊張ホルモン”のバランスからご案内していきます。
いわゆる”幸せホルモン”と呼ばれるホルモンをご存知でしょうか。
セロトニンやオキシトシンは「幸せホルモン」と呼ばれます。
セロトニンは脳内で分泌され、気分を安定させるだけでなく、睡眠ホルモンである「メラトニン」の材料にもなります。
質の良い睡眠は卵胞の成長やホルモン分泌のリズムを整えるうえで欠かせません。
妊活では、卵子の質向上のため「メラトニン」補給サプリメントを摂られている方もおられるのではないでしょうか。
オキシトシンはスキンシップや安心感のある関係性の中で分泌されるもので「愛情ホルモン」とも呼ばれ、ストレスホルモンを抑える作用も知られています。
さらに血流を改善し、子宮内膜の環境をととのえる働きもあると考えられています。
”幸せホルモン”には、自律神経を安定させ、妊娠に必要な「ホルモンの司令塔」である視床下部‐下垂体系の働きをスムーズにする働きがあります。
一方で、緊張ホルモンは、ストレス時に分泌されるのがコルチゾールやアドレナリンです。
コルチゾールは副腎から分泌され、血糖値や血圧を上げてストレスに対応します。
短期間であれば体を守る作用ですが、慢性的に分泌が続くと、排卵を司るGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)のリズムが乱れ、卵胞の成熟や黄体機能に悪影響を及ぼす可能性があります。
アドレナリンは交感神経を優位にして血流を筋肉へ集めますが、その分、子宮や卵巣への血流が減少し、着床環境の悪化につながることもあります。
つまり、ストレスが長く続くと、ホルモン分泌のリズムや子宮環境に直接影響するのです。
漢方には「心身一如」という考えがあり、心と体は切り離せない一つのものであると捉えます。
イライラや不安が続けば「気」が滞り、血の巡りやホルモン分泌も滞ります。
逆に、安心して笑顔で過ごす時間が増えると「気血」がのびやかに巡り、子宮や卵巣への栄養も十分に届きやすくなるのです。
一陽館薬局へご相談くださるお客さまの中には、「妊活」という言葉にとらわれ過ぎている方も見受けられます。
”もっと頑張らなきゃ””妊娠するためには””我慢するしかない”とご自身を追い込むことが妊活の手応えとして気持ちを収めようとしているかのようです。
妊活は「体の準備」と同じくらい「心の状態」も影響することを思えば、幸せホルモンを意識的に増やし、緊張ホルモンを上手に和らげることが、効率よく妊娠に近づくためにはとても大切なことだと思います。
妊娠を迎えようとされるかたが、体を労り、心穏やかに過ごす時間が少しでも増えることを願っています。
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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