太っていると不妊になりますか?
肥満と不妊の関係について、気になっている方も多いのではないでしょうか。
現代社会では食生活の変化や運動不足、ストレスなどにより肥満や栄養の偏りが増加していると感じます。
肥満がどのように妊娠に影響を与えるのか、漢方での考え方についてご紹介したいと思います。
基本的に肥満はホルモンバランスの崩れを引き起こす要因となります。
肥満度の目安であるBMIが25以上の場合、排卵が不規則になったり無排卵となるリスクが高まるとされ、排卵障害となると月経不順や無月経につながり妊娠のチャンス自体も減ってしまいます。
脂肪細胞はエストロゲン(女性ホルモン)の生成を助ける働きがあり、肥満によって脂肪細胞が増えるとエストロゲンが過剰に分泌されることとなり、黄体機能不全や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの要因となる場合もあります。
特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では、高血圧、糖尿病などと合併しやすいと言われており、卵胞が成熟しづらく、排卵がうまくいかないケースも多く、妊娠しづらさにもつながります。
肥満によってインスリン抵抗性が高まると、血糖値が上昇しやすくなり、糖尿病リスクも増加します。
肥満による影響は女性だけではありません。
男性でも、肥満によりテストステロンの分泌が減少し、精子の質が低下することが報告されています。
特に、内臓脂肪が多いと、テストステロンがエストロゲンに変換される割合が高まり、男性ホルモン不足が生じやすく、精子数の減少や運動率の低下、勃起不全(ED)のリスクも高まり、性的機能低下から不妊リスクも上がります。
さらに、肥満が引き起こす生活習慣病(糖尿病や高血圧など)は血流障害を招き、これも生殖機能に悪影響を及ぼすこととなってしまいます。
肥満についてご案内しましたが、「やせ過ぎ」も妊娠には不利です。
体が栄養不足・エネルギー不足に陥ると、脳は命に関わる臓器のほうを優先して働かせようと、卵巣の機能を停止させ、その結果排卵が止まってしまうことがあるのです。
現在、若い女性の3人に1人が痩せすぎというデータも出ています。
体脂肪とホルモンの働きは連動しています。
妊娠しやすい体づくりには、日頃から適正体重を維持することも意識しておきたいですね。
一時的な排卵障害なら、適正体重に戻すことで改善も見込めます。
漢方では「痰湿」や「瘀血」といった ”溜め込み体質” が、肥満や不妊に影響すると考え、代謝を上げて老廃物の排出を促したり、血流を改善して冷えにくい体質に変えていくなどサポートします。
一陽館薬局では、お一人ひとりの体質や状況に合った漢方薬をご提案し、体のバランスを整え、妊娠しやすい体づくりに寄り添っていきます。
食養生や生活習慣などのアドバイスもお一人おひとりに合わせて具体的にご対応しています。
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