受精に向かいやすい精子とは〜SMI値から〜
精子の“受精に向かいすさ“の指標の一つに“SMI“という検査数値をご存知でしょうか。
精子の数や運動率など基準値をクリアしているのにSMIが低い場合もあり、どこまで気にするか?という点も気になるところです。
妊娠には、卵子の力と同じくらい“精子の力”が欠かせませんが、いつの間にか卵子の力ばかりが優先されていることも多いように感じられます。
今回は、精子の力について考えてみたいと思います。
精液検査を受けられると、数値がいくつも並び、その中の一つに「SMI(精子運動性指数)」という項目があります。
基準値より低めだと、「うちの主人、大丈夫かしら?」と不安を感じながらも、この数値をどう解釈するかよく分からない、と思うかたもおられます。
SMIは前進運動している精子の“濃度”と、“動く速さ”という2つの質的な要素を掛け合わせて算出される総合評価です。
ですから精子の濃度が十分あっても、運動するスピードがゆっくりであればSMIは低く出ますし、逆に、運動率が悪くなくても、前進運動している精子の“密度”が低いと、やはりSMIは下がります。
つまり「精子の数や運動率などの基準値はクリアしているのに、SMIだけ低い」という場合は、SMIが“量と質の掛け算”で評価される指標だからです。
WHO(世界保健機関)基準では、精子濃度・運動率・正常形態率が一定以上あれば自然妊娠が期待できるとされています。
しかしSMIは、これらの項目を一つひとつ別々に評価するのではなく、「効率よく前に進める精子がどのくらい密度高く存在するか」をより具体的に評価することを目的とするものです。
このような理由から、基準値はクリアしていてもSMIだけ低く出ることもあるのです。
・濃度は十分でも、前に進む精子の“スピード”が遅い
・運動率は問題ないが、“前進運動精子の密度”がやや薄い
・検査当日の体調・疲労・ストレスで精子の動きが鈍っている
・前日のお酒、睡眠不足、軽い発熱の影響を受けている
・採取してから持参までに少し時間がかかったため動きが落ちた
精子は繊細ですから、気温、禁欲日数、体調、睡眠、ストレス、生活リズムなど、ほんの少し条件が違うだけでも大きく変動することがWHOの調査でも分かっています。
1回だけの検査では、その瞬間の状態にすぎず、やはり複数回の検査で全体像を把握することが大切です。
生活習慣では、喫煙、飲酒、睡眠不足、ストレスの蓄積は、運動性とスピードに最も影響しやすく、とくにSMIにもダイレクトに反映されるため、漢方と生活養生が効果的です。
漢方では精子の状態を“腎”の力でとらえます。
腎は生殖機能の源であり、体力・活力・気持ちの安定を支える土台の役目を担います。
男性が疲れているときやストレスを抱えているときには、腎のエネルギーを消耗し、働きが弱まり、精子の動きにも影響が出ます。
一陽館薬局では、漢方で腎を養い、血流を整え、体の気力を充実させることで、精子の密度・運動スピード・前進性といった“質”は、3か月ほどのサイクルで好ましい変化がみられることが多いです。
男性側の力が整うと、当然、受精・着床の可能性も拡がります。
妊娠という結果は、女性だけが頑張って獲得するものではなく、ふたりで整えていく二人三脚の成果です。
一陽館では、適切な漢方による体質改善とともに生活養生を組み合わせながらご夫婦おふたりの妊娠力を土台から引きあげるサポートを行っています。
安心してご相談いただきお二人の総合力アップを目ざしましょう。
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
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