原因不明不妊の”原因”を探る〜骨盤内瘀血〜
圧倒的に多いのは、やはり原因不明の不妊ではないでしょうか。
病院へ行って不妊検査を受ける方もあれば、病院へ行くには違和感がある・・とお考えの方もおられると思います。
医学的な不妊検査を重ねても特に異常が見つからない、いわゆる「原因不明の不妊」。
ですが、「原因が見つからない」=「原因がない」のではなく、「医学的には捉えきれない不調が存在している」ため結果的に妊娠にいたらない、ととらえ漢方理論からも妊娠しづらい要因を見出していきます。
その一つに、漢方でいう「瘀血」、特に「骨盤内瘀血」があげられます。
「瘀血」とは、血の巡りが滞り、古くなった血が体内にとどまっている状態を指しますが、「瘀血」だけでは病気ではありません。
西洋医学の「血行不良」と似ていますが、瘀血は目に見える血栓や出血だけではなく、微細な循環障害や、長年にわたる冷え・炎症・ストレスなどの積み重ねで起きる体質的な停滞も含まれます。
骨盤は、子宮や卵巣など妊娠に関わる重要な臓器が集まる場所であり、そこに瘀血が存在すると、排卵や着床を妨げる要因となったり、子宮内膜の質の低下や、月経異常、生理痛などの原因にもなり得ます。
実際に、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣チョコレート嚢胞といった疾患の多くは、漢方的には慢性的な瘀血をともなっていると考えられます。
漢方では、瘀血による不妊に対して、「活血化瘀」と呼ばれる治療法が基本となります。
これは、滞った血を動かし、”新しい血” を生み出しやすい環境を整えることを目ざします。
これにより血の巡りが改善されると同時に、冷えや便秘、精神的な緊張など、「瘀血を引き起こす要因」=「瘀血により悪化する症状」にも効果が期待できます。
瘀血体質に特徴的な症状例
・月経血が暗赤色や黒っぽく塊がある
・経血量が多すぎるあるいは少なすぎる
・月経痛が強く鎮痛剤が手放せない
毎回の生理で、これらが気になっている場合は、骨盤内の瘀血による血流障害の可能性も考えられます。
血液は時間が経過すると固まる性質をもっており、瘀血は「冷え」と密接に関係しています。
もともと「瘀血体質」でなくても、冷えることで血管が収縮し、血流が悪い状態が続くと、結果として瘀血が生じやすくなる→冷え増悪→さらに瘀血→さらに血流悪化→もっと冷える→もっと瘀血ひどく→もっと血流悪化、という悪循環になってしまいます。
特に下半身の冷え、長時間の座りっぱなし、運動不足などが積み重なると、骨盤内の血行が滞りやすくなりますので、足元や腹部を冷やさないこと、適度な運動で骨盤周辺をほぐすなどを日常的に意識することから、好循環への取り組みを始めましょう。
また、瘀血体質の方は精神的な抑うつ感や、イライラしやすい傾向も見られます。
これは、血の巡りが心にも影響し、「気滞血瘀」という状態になるためです。
血と気はともに影響し合って、それぞれの巡りも安定します。
したがって、「瘀血の改善」と「気の巡りの安定」は常にセットなのです。
一陽館薬局では、バランスを穏やかに整えることを念頭に置きながら、じっくりお話しをうかがい適切な体質改善策をご案内していきます。
長い間妊娠にいたらなかった方が小さな変化をきっかけに授かることもあれば、場合によっては根深い体質の改善には数年という期間を要するケースもあります。
どのような場合でもお客さまのご要望に寄り添いながら、スムーズに変化を感じていただけるようサポートしてまいります。
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