卵子の質と「血」
どうすれば卵子の質は良くなるのだろう・・
とお悩みの声が聞かれます。
特に体外受精の場合は、治療は卵子の評価から始まり、「卵子の衰え=年齢的な卵巣の弱り」と指摘されることが多くなります。
でも、「卵子の質がよくないのは年齢のせい」と言われても、自身で対処できることは限られています。
卵子の質は、ホルモン刺激だけで良くなるのではなく、“栄養となる血“により左右されるのではないでしょうか。
私たちの体を維持するために不可欠な要素ということはご承知のことかと思いますが、漢方における「血(けつ)」の役割は、卵子の質に関わる大切なものであり、妊娠にも、赤ちゃんが育つにも“血の充実“が必要なのです。
今回は、卵子の質にも関係する「血」の役割について漢方の視点からご案内します。
「血」は、漢方では“けつ“と読みます。
漢方でいう「血(けつ)」とは、単なる“血液の流れ”のことではありません。
血の役割=「ち」の役割+「けつ」の役割
なのです。
漢方における「血」は、身体をめぐり、臓腑や筋肉、皮膚、そして女性では子宮や卵巣にまで栄養と潤いを届ける“いのちを育む栄養の源”なのです。
この“血”が十分にあると、妊娠に必要なホルモン環境も安定し、月経のリズムも整い、肌や髪につやが出てきます。
逆に、“血”が量的に不足したり、流れにくくて滞ったりすると、卵巣や子宮への栄養が行き届かなくなり、卵子の成熟に影響を及ぼしてしまうのです。
血の充実には「量」と「流れ」の両方が必要で、滞りがなくしっかり届くには、滞りのない新鮮なものであることが大切です。
と、言いましても“自分は問題ない“と思っている方もいらっしゃると思います。
けれど、実際にご相談いただくお客さまでは、ほとんどの方が該当します。
“貧血かどうか“
“こういう体質“
とは違う視点からの解決すべき「妊娠しやすさのバロメーター」だと思います。
◎「血虚(けっきょ)」と卵子の質の関係
漢方では、“血”が不足した状態を「血虚」と呼びます。
血虚の方には、顔色が白っぽい、全身が冷えやすい、めまいや立ちくらみ、疲れやすい、経血の色が薄い、といった特徴がみられます。
つまり、身体の中で卵子を育てる「栄養のもと」が足りていない状態だと考えられます。
血虚が続くと、卵巣への血流も低下し、
成熟が遅れたり、元気のない卵子になってしまうことがあります。
◎「瘀血(おけつ)による卵子の質への影響
“血”が滞って流れが悪くなる状態を「瘀血」といいます。
瘀血は、冷え、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、長期のピル・薬剤の影響などで起こることがあります。
この状態では、血液がドロッとし、卵巣や子宮に栄養が届きにくくなり、子宮内膜の状態が悪くなったり、着床しにくくなったり、流産の要因となったりすることもあります。
卵子の質は、卵巣の血流、つまり卵子の栄養と発育のための血が十分に届いているかが大切です。
「血虚」や「瘀血」を改善するためには、まずは日々の生活リズムを整えることから始めてみましょう。
・夜更かしをせず、しっかり睡眠をとる
・冷たい飲食を控え、体を温める食材を選ぶ
・ストレスをためず、心の余裕をつくる
さらに、漢方では、「補血」や「活血(かっけつ)」という考え方で、それぞれの体質に合わせて“血”を養っていきます。
“卵子の質をよくする“ということは、卵巣そのものの環境を整えるということを意味します。
そしてその土台となるのが、「血(けつ)」のめぐりと質にあたります。
血を充実させ、滞りをなくすことで、卵巣も子宮も“いのちを育む場所”として整っていきます。
年齢にかかわらず、自分の体をきちんと「整える」ことから始めてみましょう。
一陽館薬局では、体質を丁寧に見極めながら、あなたに合った「血」の整え方をご提案しています。
どうぞお気軽にご相談ください。
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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