卵子の老化と若返り
「卵子の老化」に対して「卵子の若返り」があります。
年齢とともに妊娠しにくくなる理由として、多くの場合「卵子の質の低下」を指摘されます。
では、「質の低下=もう戻らない」かといえば、少し違うかなと思うことがあります。
卵子の”老化“は年齢的に避けられない部分ですが、その度合いは個人差も大きいものといえます。
卵子の“質の低下”は、老化を含め様々な要因により「卵子の状態に整える余地がある」という意味合いと受けとめられ、ときには年齢的に余裕がある世代でも見受けられることもあるのです。
漢方相談でお話を伺うと、老化であれ体質であれ、卵子はもっと元気になる力をもっているはずだと感じることも少なくありません。
ご自身の卵子の可能性に制限をかけ、決め込んでいるなら、勿体ないと思うのです。
卵子がご自身の“分身”と置き換えて考えると、巡りを整えることで低下のスピードを緩やかにし、生命力を底上げすることができるのではないでしょうか。
卵子は女性が生まれる前から体内に持っているもので、加齢とともにその数と質が少しずつ低下していきます。
40歳を過ぎると自然妊娠率は下がりますが、その理由には排卵される卵子の染色体異常率が上がることが挙げられます。
一方で、同じ年齢でも卵子の“質”には個人差が大きいこともご承知のことでしょう。
ではこの“差”はどこからくるのか?と考え進めたら、“体内環境の違い”といえます。
卵巣や子宮の血流、ホルモンのバランス、そしてストレスや睡眠の質などが日々の積み重ねとして体内環境を構成しています。
実際に、同じ40代でも卵の状態が驚くほど良い方もいらっしゃいます。
その違いは「卵を取り巻く環境(=卵巣の血流と代謝)」にあります。
卵そのものを“若返らせる”ことはできなくても、
卵が成熟する過程をサポートして、質を回復することは十分可能なのです。
卵子は排卵までに約6か月という長い期間をかけて育ちます。
この「育つ期間」に卵巣の血流を改善し、細胞の酸化ストレスを減らすことが、卵子の質の底上げにつながると考えられています。
漢方では、卵子の力を「腎(じん)」のエネルギーと「血(けつ)」の巡りの質で考えます。
腎は“生命の源”、血は“栄養と潤いの流れ”を意味します。
この二つが充実していると卵子の育ちも充実するのです。
◎血を巡らせる: 温かい食事を中心にし、足首に冷えを感じ始めたら冷たい飲み物や過度な糖分を控えましょう。
◎ストレスを抜く: 深呼吸や軽い運動で気の滞りをほぐす
一陽館薬局では「補腎薬」や「活血薬」を組み合わせて、卵巣環境を整えるご提案をおこなっています。
体質に合った処方を続けることで、基礎体温や月経周期が整い、卵子の成熟力も高まっていくのです。
卵子を守る生活も、最近は現代特有の課題もあります。
・睡眠は22時〜2時のゴールデンタイムを意識
・スマホやPCの長時間使用は控え、夜は光を少なく
・アルコール・喫煙はできるだけ避ける
・過度なダイエットは「血」=栄養を減らす原因に
・体を冷やさず、無理をしないこと
卵子の老化は、止めることはできなくても、
“早めに気づいて整える”ことで、時間を味方につけることはできます。
漢方では、年齢だけでなく「体の若さ」を保つことから卵子を育てていく考え方が根底にあります。
40代でも自然妊娠される方がいらっしゃるのは、その力を上手に引き出しているからだと思います。
卵子の老化が気になるときは、焦らず、まずはご自身の体を思いやることが大切です。
からだ全体の流れを整えることは遠回りのように感じられるかもしれませんが、心身の元気は卵の若さを支えることにつながっています。
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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