卵子の確保と漢方〜諦める前に〜

「もう、できることはやり尽くした」
そんな言葉を口にされる方が増えています。

長い不妊治療を経て、心身ともに限界を感じながらも、「ここでやめたらすべてが無駄になってしまうのでは」と思い、前に進むと信じようとする気持ち・・。
その葛藤は、多くの方が通る道ではないでしょうか。

不妊治療を続けることで可能性は広がるという見方もできる反面、身体的な負担、精神的な疲労、経済的な重圧も積み重なっていきます。
だからこそ、「諦める」か「続ける」かだけでなく、“今の自分の体を立て直す”という選択肢があることに気づいていただきたいのです。

焦る気持ちの中で治療を重ねるより、一度立ち止まり、「今の自分の体がどんな状態にあるのか」に向き合ってみると、次の一歩が自然と見えてくることがあります。

妊娠に至らない理由は、きっと一つではありません。
卵子の質、排卵や受精のタイミング、子宮内膜の環境、ホルモンバランス、さらにはストレスや睡眠不足、冷えなど、生活環境の影響も思い当たるかたもいらっしゃるでしょう。

西洋医学では、検査値や治療反応から原因を探りますが、漢方では「体の働きがどこで滞っているのか」を総合的に捉えます。
「気・血・水」や「腎・肝・脾」といった全身のバランスから、妊娠に必要な力が発揮できているかどうかを見極めます。

体の不調を一部の臓器だけでなく、全体の機能の連動として捉えるのが漢方の特徴です。
「なぜ妊娠できないのか」を知ることは、「どうすれば妊娠できる体に戻せるのか」を考える第一歩になるはずです。

例えば、
“採卵を重ねていくうちに、卵子の数が減ってきたり、刺激に対する反応が鈍くなったりする“
“薬の量が増え、体調の変化を強く感じるようになる“

変化に戸惑いながらも、「薬を使わなければ卵が採れないのでは」と不安になり、治療を手放す決断ができない・・
こうした切実な声をお聞きしてきました。

卵巣は、年齢とともに自然な変化をたどります。
しかし、すべての女性に同じスピードで老化が進むわけではありません。
体の状態や生活環境、冷えやストレスの影響によって、卵巣機能の回復力には大きな差が生まれます。

漢方の役割は、卵巣を“外から刺激する”のではなく、“内側から支える”ことにあります。

とくに「腎」を補う補腎薬は、卵巣を元気にして、ホルモン分泌を整え、卵子の発育を助けるよう働きかけます。
卵胞の成熟に必要な“精“を蓄え、排卵環境を整えます。

つまり、漢方は「卵を増やす薬」ではなく、“卵を育てる力”を回復させることを目的とします。
無理な刺激で体が消耗している場合、まずは体力とエネルギーを回復させることが、次の治療を成功に導く道になることもあります。

治療を続けるためにも、“整える期間”を持つことは決して後退ではありません。
むしろ、体を回復させることが、新たな可能性を開く一歩になるのです。

受精が成立しない場合、問題が卵子や精子の質にあるのか、あるいは受精が行われる場(卵管や体内環境)にあるのかを見極める必要があります。

漢方では、血流を促し、体を温め、余分な湿や滞りを取り除くことで、受精しやすい環境を整えていきます。

「受精させる」のではなく、「自然に受精しようとする力を引き出す」のが漢方の根本的な考え方です。

また、良好な受精卵を移植しても着床が続かない場合、子宮の血流や内膜の厚み、免疫バランス、微小炎症など、西洋医学でも特定しにくい要因が関係していることがあります。
漢方では、「子宮は血の海」と考え、血の巡りを整えて温かくふかふかな子宮環境を作ることを重視します。
冷えや瘀血を改善することで、受け入れやすい体へと導くのです。

長い治療の中で、誰もが不安と希望のはざまで揺れます。
頑張りたい気持ちと、もう十分頑張ったという思い。
そのどちらも、正しいのです。

だからこそ、「今の自分の体は、頑張れる状態か」「少し整えたほうがいいのか」を一緒に考えていきましょう。

一陽館薬局では、不妊治療と併用して漢方を取り入れることで、体調や採卵結果が改善し、前に進めたという声を多数いただいています。

これまで漢方を試してもうまくいかなかった方も、
今の体に合わせて調整し直すことで、まったく違う結果が出ることがあります。

その一回、その一個を、大切にできるように。
あなたの体の力を信じ、穏やかに前へ進むお手伝いをさせていただきます。

妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。

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