効率の悪い努力になっていませんか〜“妊娠できる体”をつくるという視点〜
「妊活」はシンプルな言葉ですが、実際は時間や費用や気力においても、また、病気でもないのにたくさんの薬をともなうといった”活動”です。
だからこそ効率の悪いやり方は避けたいものです。
例えば、「早く妊娠したいから」と焦って不妊治療を急いで始める方がいらっしゃいます。
しかし、これまで妊娠できなかった体の状態のままで”不妊治療さえ受ければ妊娠できる”というわけにはいかないと感じておられる方も多いのではないでしょうか。
本来は、妊娠できる体の状態に整っていなければ、どんな手段（自然妊娠であっても、人工授精や体外受精であっても)を選んでも、結果にはつながりにくいと思います。
また、「保険適用で残り一回の体外受精を成功させたいから、その前に漢方でなんとかしてほしい」というご相談もあります。
この場合は、「不妊治療前の妊娠しづらい体質」＋「長期の不妊治療で影響を受けた体質」＋「即効性」を一挙に解決してほしいというご要望ですから難易度も高くなると言わざるをえません。
いよいよの段階になって慌てても、必要な時間はかかります。
見て見ぬふりで望む結果だけ得られるほど単純にはいかないからこそ、できるだけ早い段階で「妊娠しづらい体質の改善」と「妊娠しやすい体づくり」を始めることが大切だと思います。
さらに、妊活系のサプリメントをいろいろ試してきた方が「次は漢方も取り入れてみよう」と考えるケースも見られます。
しかし、漢方とサプリは目的も働き方もまったく異なります。
サプリメントは体内に足りない栄養素などを補う「供給」の役割ですが、漢方は体質そのものを内側から変えていく「改善」の手段です。
体質を根本から変えたいのであれば、やはりその目的に合った作用を持つ漢方の力が必要です。
もちろん、「身体を温める」「疲れをとる」といった補助的手技も意味がありますが、それらはあくまでもサポートであり、体質改善とは立ち位置が異なるということを理解しておく必要があります。
あれこれ考え過ぎて逆に時間がかかってしまうなら、私に一番必要なことは？という問いに、まっすぐに答えを示すことができる方法を選ぶべきではないでしょうか。
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