冷え性と生理不順

本格的な冬を迎える頃、気になるのは“体の冷え“というかたも多いのではないでしょうか。
「足先が冷えて痛い」「お腹だけいつも冷たい」といったお声も聞かれます。

“冷え”は、不快な症状というだけでなく、生理周期にも影響することがあります。

冷え性という言葉はとても身近ですが、漢方では
単に体温が低いことを意味するだけでなく、血の巡りが滞っている状態(=瘀血)、内面のエネルギー不足により温める力が弱い状態(=気血不足)、さらに根本的な生命力の源の弱り(=腎虚)など、多方向から冷えにつながる要因を探っていきます。

冷えが続く→血流不足→血が通わないから冷える→さらに血行が悪くなる、と悪循環になり、子宮や卵巣の血流も低下してしまいます。

子宮・卵巣は血行が悪くなると、排卵が遅れたり、ホルモンの切り替えがスムーズにいかなかったりして、生理周期も不安定になります。

つまり、“温まることで巡りがよくなり、巡りがスムーズだとホルモンの動きも安定する”と考えられるのです。
特に腎の働きは妊娠力の土台をなし、冷えによる機能低下は卵巣機能にも影響します。
たとえば、下半身の冷えが強いタイプには温めながら巡らせる処方を、全身が疲れやすく内側から温められないタイプには気血を補い身体そのものに“温める力”をつける処方を選びます。
同じ「冷え性」でも、必要な漢方処方は人によってさまざまです。

妊活では、冷えの改善によって基礎体温が安定し、排卵が整い、結果として生理周期が安定してくるケースもたくさんあります。

生理不順だけでなく生理痛がひどくなったり、冷えによる健康トラブルなど、“冷え=血流がよくない“という点からすると、やはり“冷えは病のもと“と言われるのも納得ですね。

妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。

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