冬が妊娠力アップに最適な理由
本格的な冬を迎えます。
漢方では闇雲に「妊活!」といってあれこれ手を広げるよりも、季節にあった養生こそ効率のよい妊活を後押しできると考えられています。
冬には冬らしい妊活を意識してみましょう。
季節の特徴を知って、妊娠力アップにお役立ていただきたいと思います。
妊娠力を支える土台、その根本の“エネルギーシステム”にあたるのが、漢方で最も重要視する「腎(=じん)」です。
漢方でいう「腎」は単に“腎臓”を指すわけではなく、腎臓の機能も含む内分泌系と、何より生命力・生殖力・ホルモンバランス・老化の速度などを司る「生命の源」として位置づけられています。
東洋医学の古典『黄帝内経』では、腎は「作強(さきょう)」といって生命活動を強く支えると記され、その核心である「腎精(じんせい)」は、成長・発育・生殖を左右する“最重要物質“とされています。
卵巣機能の高さや卵子の成熟度は、腎精の充実度合と深く繋がっています。
実は、現代医学とも多くの共通点があります。
腎が担うとされる働きには、
・視床下部‐下垂体‐卵巣系(HPO軸)のホルモン分泌
・卵胞の成熟や排卵を支える内分泌バランス
・妊娠維持に大切なコルチゾールや甲状腺ホルモンの調整
・代謝や体温調節、自律神経の安定
など、妊娠に不可欠な“体の深層の機能”という共通解釈が挙げられます。
その「腎」が最も養われやすい季節が冬です。
冬は五行では「腎」の季節とされ、自然界の“閉じて守る”エネルギー(=閉蔵)に体も同調します。
活動を外に向けるよりも、内側に蓄える方向に働くため、効率よく腎精の充実をはかることができるのです。
冬は、太りやすいと感じている方もおられると思いますが、これも冬は本来“蓄える季節”であり、自然な反応でもあります。
体が意図的にエネルギーを溜め込もうとし、腎精を養い、春の発動に備えてるためです。
卵子の質やホルモンバランスは、この腎精により培われますから冬の養生は妊娠力の充実に影響するのです。
では、どうすれば「補腎」=妊娠力チャージできるのでしょうか?
もっとも大切なことは、休息と睡眠です。
腎精は睡眠中に回復し、夜間の深い時間帯に最も補われます。
冬は夜が長く、体が自然と休息モードに入るため、本来は「腎を育てるための理想的な季節」といえます。
でも逆に、睡眠不足が続くと、腎精が消耗し、卵巣機能の低下や月経周期の乱れにつながることも考えられます。
今年の冬は、“生命力を養う時間”としてご自身をいたわりながら過ごしてみてください。
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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