不妊治療の現実
先日のニュースで出生数が公表され、過去最低に加え予測数をはるかに下回ったとの情報も。
不妊治療(体外受精)は妊娠に有利なのでしょうか。
条件により差があるものの、イメージ通りの現実が広がっているのでしょうか。
最新2022年日本産婦人科学会発表によると、2022年の体外受精は過去最高55万件に迫る件数(54万3630件)でした。
その中で妊娠件数は10万5233件、出産件数は7万5172件。
実数としては増えたものの確率としてはなかなか厳しいと言わざるを得ないのが現実かもしれません。※https://www.jsog.or.jp/medical/641/
多くのかたが不妊治療(体外受精)に大切な願いを託し、最高水準の治療を受けた結果を、どう受けとめられますか。
治療件数は世界最多、出生率は低いARTの現実は今に始まったことではなく、保険適用以前から傾向は変わっていませんが、保険診療になったことで本当に必要な方が適切に利用できているかが大切なことだと思います。
ART(生殖補助医療)とは、体外受精や顕微授精といった自然妊娠が難しい場合に医療の力を使って妊娠をサポートする技術の総称です。
妊娠率の現実については、治療周期数は39歳から42歳の年齢層が多く、一方、妊娠周期数や生産周期数は35歳から36歳を境に減少に転じており、年齢が上がるにつれて妊娠率は低下し、流産率は上昇することは多くの方が承知されていることと思います。
では、ARTの回数と妊娠率、出産率の関係はどうでしょう。
妊娠率が最も高い20代~35歳前後でも50%には達しておらず、この世代でも6割くらいの方は1回の体外受精では妊娠できないのが現状です。
お伝えしたいのは、妊娠することがとても難しいことである、という悲観的なことではなく、病院で治療を受ければ妊娠できるという思い込みを一度リセットして、「治療の必要性」や「治療の進め方」などを主体的に見直すとともに、妊娠に適した体調整備の重要性に気づいていただきたいのです。
身近な人から「体外受精で授かった」という声を聞き「体外受精は効率よく妊娠できる」と思われる方もおられると思いますが、うまくいっていない人が「体外受精で授かることができない」と口外されるでしょうか?
“うまくいった・いかない”は表裏一体ともいえるのではないでしょうか。
2022年4月からART治療が保険適用になり、体外受精・顕微授精の1回あたりの自己負担額は 約10~15万円。以前とくらべて1/3程度になりましたが、年齢制限(43歳未満)や治療の進め方などに条件が設定されています。
先進医療(タイムラプス、ERA検査、PGT-A など)は保険適用外のため、全額自己負担です。
制限の中で複数回の治療でもうまくいかないとなると、結局のところ自己負担は大きくなっていきます。
ただし、ここでは体外受精・顕微授精の成功率という点において述べましたが、あくまでも私たちが目ざすのは出産です。
赤ちゃんもお母さんも元気に出産を迎えていただきたいと心から願っています。
そのために一陽館薬局では、お一人おひとりにしっかり寄り添いながら、お客さまを“丸ごと”サポートしてまいります。
ART成功のカギは「年齢」と「卵子の質」、そして「妊娠維持に適した子宮環境」を忘れてはならないと思います。
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