アナボリックステロイドと男性不妊の関係〜精子へのリスクと漢方ケア〜
妊活中のご相談で、「ステロイドを使っているけど大丈夫ですか?」というご質問をいただくことがあります。
ここで言う“ステロイド”には大きく2種類あります。
①アナボリックステロイド(筋肉増強剤)
②医療用の副腎皮質ステロイド薬
この2つは作用やリスクが異なります。
妊活中の方は、それぞれの影響を正しく知っておくことが大切です。
①アナボリックステロイドと男性不妊
筋肉を増やす目的で使われるアナボリックステロイドは、男性ホルモン(テストステロン)に似た作用を持ちます。
しかし、外からホルモンを取り入れることで、脳からの指令が弱まり、精子をつくる働きが大きく低下することが考えられます。
<主な影響>
精子数の減少
無精子症のリスク
性欲低下・勃起不全
ホルモンバランスの乱れ
特に注意すべき点は、使用をやめてもすぐに回復しないことで、精子の回復には半年〜1年以上かかることもあるようです。
②医療用ステロイド(副腎皮質ステロイド薬)の場合
喘息・自己免疫疾患・膠原病などで処方されるステロイドは、適切な量であれば大きな問題になることは少ないとされていますが、長期・高用量で使用すると、以下の影響が出ることもあるといわれます。
<主な影響>
精子形成の一時的な低下
テストステロン分泌の抑制
むくみや代謝異常による体調不良
医師の判断で使っている場合は、自己判断で中止せず、妊活中であることを必ず主治医に相談されることをおすすめします。
今回は、ステロイド使用後の体質回復と漢方の役割についてご紹介します。
ステロイド使用後は、ホルモンバランスの回復に時間がかかります。
その間、精子の質を高めることを目ざし、体質づくりをサポートします。
◎補腎薬:腎精を補い、精子の質・量を補強
◎活血薬:精巣の血流を促し、ホルモンの働きを整える
◎ストレスケア:精神的負担を和らげ、ホルモンバランスの安定をはかる
生活習慣の見直しも大切です。
十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事、過度な筋トレの回避など、身体をいたわる工夫も心がけましょう。
男性妊活セルフチェックリストをまとめました。
「自分は大丈夫?」をチェックしてみましょう。
以下の項目で “3つ以上“当てはまる方は要注意です。
<ステロイド使用歴>
☑ 過去にアナボリックステロイドを3か月以上使ったことがある
☑ 最近まで筋肉増強目的でステロイドを使用していた
☑ 医療用ステロイドを半年以上続けている
<精子・男性ホルモンのサイン>
☑ 精子検査で「精子数が少ない」と言われた
☑ 精子の運動率が低い
☑ 性欲低下や勃起力の低下を感じる
☑ 朝の勃起が減ってきた
<生活習慣・体調>
☑ 筋トレやサプリで筋肉増強を重視している
☑ 睡眠不足が続いている
☑ 栄養バランスに偏りがある
☑ 強いストレスを感じている
3つ以上当てはまる方は、早めにご相談ください。
一陽館薬局では、体質やホルモンバランスを整える漢方を中心に、お一人おひとりの妊活をしっかりサポートしています。
妊活は「精子の質」を整えることが大切です。
ステロイド使用歴がある方は、できるだけ早めに体質回復を始めることで、妊娠の可能性を高めることにも繋がります。
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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