なぜ水っぽいおりものに?
ご相談の中で「以前は排卵期に“のびるおりもの”が見られたのに、最近は“サラサラの水っぽいおりもの”になった」といわれることがあります。
一般的に“のびるおりもの“が正常といわれることから不安に感じるかたもいらっしゃるかもしれません。
今回は、“さらさらおりもの“になる理由をお伝えしてまいります。
●医学的に考えられる理由
排卵期にみられる「のびるおりもの(頸管粘液)」は、エストロゲン(卵胞ホルモン)の働きで分泌されます。
この粘液は精子が子宮に進みやすくなるよう、透明で弾力のあるゼリー状の性質を持っています。
ところが、最近それが“サラサラで水っぽい”状態に変わった場合は、次のような変化が起きていることも考えられます。
◎エストロゲン分泌量の低下
加齢やストレス、睡眠不足などにより、卵胞の発育が十分でないとエストロゲンの分泌が弱まり、頸管粘液の粘性が低下します。その結果、水っぽく薄いおりものになります。
◎卵胞発育や排卵機能の低下
卵巣機能がやや低下していると、頸管粘液の質にも変化があらわれます。
30代後半以降によく見られる傾向です。
◎水分代謝や体温の影響
体が冷えている、代謝が落ちていると、粘液分泌そのものが不安定になります。
冷えによって骨盤内の血流が悪くなると、粘液腺の働きも弱まることがあります。
◎ホルモンバランスの影響
排卵期後半でプロゲステロン(黄体ホルモン)が早めに上がると、おりものはサラッとした水様性に変化します。
●漢方的にみた原因
漢方では、おりものの性質も基本的に「血」「気」「津液(水分)」のバランスに左右されると考えます。
「のびるおりもの」が減って水っぽくなっているのは、体の「陰液=潤い分」や「血」が不足している“陰虚(いんきょ)”、または気血の巡りが悪くなっている“気虚”“瘀血”の状態が見られます。
「陰虚タイプ」では、潤いを生み出す力が足りず、おりものの量が少なくなりがちです。
「気虚タイプ」では、分泌を調整する力が弱まり、必要な時期にうるおいを発揮できなくなります。
さらに“冷え(=陽虚)“があると、温める力が弱まり、頸管粘液の質が変化します。
つまり、サラサラの水っぽいおりものは卵胞の成熟やエストロゲンの分泌力の低下を反映している場合も考えられるのです。
おりものに違和感があれば、まずは排卵がきちんと起きているか、ホルモン値や基礎体温を確認することが大切です。
冷えやストレス、過度なダイエットを避け、血流と代謝を整える生活を心がけること。
漢方では、「腎」「脾」「肝」を整え、体の中の水分代謝と血流を調えることで、“のびるおりもの”の回復をめざします。
「のびるおりもの」は妊娠しやすさをあらわすサインのひとつとも考えられます。
一陽館薬局では、卵巣機能やホルモンの変動、体質的な冷えや血流などを丁寧にうかがいながら、妊娠しやすい体へ導くための漢方相談を行っています。
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