こんなに早く卵管がつまってしまうなんて

「まさか、こんなに早く卵管がつまるなんて信じられなくて・・」

半年ほど前に自然妊娠が流産になり、流産処置を受けられた経験があり、できれば自然妊娠をとご相談くださいました。

自然妊娠をめざすなら、卵管チェックは受けておかれたほうがよいのでは、とおすすめし、念のためにと受けられた卵管造影検査で閉塞を指摘されたのです。

流産処置の後、子宮内の傷が回復する途中で、ごく初期の炎症が起こることがあります。

実は癒着というものは、手術などで子宮や卵管に傷がついた直後、数時間から数日以内に“癒着が始まるベース”ができてしまう可能性があるとされます。
実際、ある研究では術後 8日目 の検査で半数以上に癒着が確認されたという報告もあるようです。
日本のデータでは、流産手術後に癒着が確認される割合は数%とされていますが、その“数%”に自分が入ってしまったと知ったときのショックは相当なものでしょう。
しかも、癒着は必ずしも強い痛みとして現れず、月経が普通に来ていても、実は卵管の働きが低下しているということがあります。
そのため「どうして?」「いつの間に?」と感じられるのも当然のことかもしれません。

卵管は非常にデリケートな器官であり、小さな炎症の“余韻”でも動きが悪くなることも理解できます。癒着は、言い換えれば傷が回復するための行程ともいえます。

漢方では、このような状態を「瘀血」「気滞」「湿」の重なりとして捉えます。
流産後は血の巡りが乱れ、子宮・卵管まわりの組織が滞りやすくなるため、気血水のスムーズな流れ取り戻していくことが大切です。
とくに瘀血を改善し、下腹部の滞りを解くことで、卵管も本来の状態を回復することが期待できます。

また、卵管の動きには自律神経も関係しています。
流産という大きなストレスにより受けた心のダメージは、簡単に解消できるとは限りません。
心にぎゅっと力が入ったままでは、卵管も緊張します。
漢方では、巡りを整えながら、心の緊張を和らげるようサポートしていきます。

「詰まってしまったらもう終わりなのでは?」
「体外受精しか道がない?」と考えてしまわれるかもしれませんが、癒着には程度がありますから、焦らずに適切な対策を進めることが大切です。

一陽館では、ダメージから回復しようとする身体と心の両面からサポートしながら、妊娠力がしっかり発揮できるよう整えるお手伝いをしています。

妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。

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