〜排卵検査薬陽性でも排卵していない?〜
状況的には ”排卵したはず” と思ったのに排卵していなかった、というご相談を受けることがあります。
「排卵予定日の数日前の卵胞チェックで近日中に排卵することを予測された」
「排卵検査薬でもはっきりと陽性が出た」
「基礎体温も低温期から高温期になっている」
なのに、実は排卵していなかった・・・と思われる現象はいったいどうして起こるのでしょうか。
「排卵していないのに基礎体温では高温期が続く」という矛盾のような現象について、原因や背景をあげてみたいと思います。
ポイントとしては、”排卵検査薬陽性=排卵とは限らない”という点です。
排卵検査薬は、排卵直前に急上昇する黄体形成ホルモン(LH)を検出するもので、「排卵の予測」に用いられるものですが、これはあくまで「LHサージが起きた」ことを示すものであり、実際に卵胞が破裂して「排卵が完了した」かどうかまではわかりません。
排卵していないのに陽性反応が出る主な理由として考えられるものとして、
・未破裂卵胞(LUF)
卵胞が成熟し、LHサージも起きるが、卵胞が破裂せず排卵されません。
体は排卵したかのように反応し、基礎体温も上昇し、排卵検査薬も陽性になります。
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
慢性的にLHが高く、排卵していないのに検査薬が陽性を繰り返すことがあります。
・ストレスやホルモンバランスの乱れ
LHサージが起きても、外的要因(強いストレス、過労、環境変化など)により、排卵が途中でストップすることがあります。
排卵が起こっていないのに高温期が14日以上続く理由として考えられるのは
・未破裂卵胞(LUF)
卵胞が破裂しないまま黄体化するため、プロゲステロンが分泌され、高温期のような体温上昇が起きます。
・ホルモン補充や薬剤の影響
ルトラールやデュファストンなど、黄体ホルモン製剤を内服している場合、排卵の有無に関係なく体温は上昇します。
・視床下部・下垂体の異常や甲状腺機能の乱れ
体温調節やホルモン分泌の中枢に異常があると、排卵とは無関係に体温が高く推移することがあります。
高温期が14日以上続いた場合、最もシンプルに考えられるのは妊娠の可能性です。
妊娠しているとhCGの働きで黄体が維持され、プロゲステロンが持続的に分泌されるため、高温が続きます。
漢方の視点では、排卵の不調は「気血の巡り」や「肝気鬱結」「腎虚」「瘀血」などと関連づけて全身のバランスを整えることが可能です。体質改善によって、排卵の質や周期が安定する方も少なくありません。
妊活中の女性や、自分の月経周期と真剣に向き合っている方にとって、「排卵の有無」は極めて重要なポイントとなります。
ぜひ、早めに整えましょう。
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