『赤ちゃんが欲しい』誌コラムより〜効率の良い妊活・悪い妊活とは〜
2025年7月25日発行の『赤ちゃんが欲しい』誌に私のインタビューコラムが掲載されています。
今回のテーマは、効率の良い妊活・悪い妊活についてです。
妊活における「効率が良い・悪い」とは、その方にとって妊娠するために必要なことを最短でおこなうか、といったシンプルなものです。
「妊娠サポート」をうたったサプリメントや補助的療法などは決め手がないくらい溢れかえっており、ついあれこれ手を出してしまいがちかもしれません。
問題は、選ぶ理由にあります。
例えば、不妊治療を検討される方は多いでしょう。
不妊治療は、確かに妊娠への大きな策になります。
しかし、「治療=すぐに妊娠できる」とは限りません。
体外受精をはじめとする高度生殖医療であっても、1回で成功する人もいれば、何度挑戦しても結果に結びつかない人もいます。
この違いは、単に運やタイミングの問題ではなく、回数を重ねればいつか結果に巡り会えるわけでもなく、「妊娠の準備が整っているかどうか」によるものです。
例えるなら、体外受精は妊娠への橋をかける行為です。
しかし、橋があっても、その先に渡る体力や条件が不足していれば、向こう岸にはたどり着けません。
つまり、橋を渡るための「からだの準備」が伴っていなければ、不妊治療の成果は思うように上がりません。
実際、医学的な介入がどれほど進んでも、身体の状態が妊娠に適していなければ治療の効果は十分に発揮されません。
治療の成功率は個人差が大きく、「とにかく治療すればなんとかなる」と始めるのは、実は遠回りになるケースもあるのです。
妊娠しにくい体質のままでは、手段を変えても結果は変わらないのです。
もうひとつ大切なのは、「妊娠しにくい体質」のままでは、どんな方法を試しても結果が出にくいという現実です。
たとえば、PMS(月経前症候群)がつらくてピルを勧められるほどのホルモンバランスの乱れがある、下半身やお腹がいつも冷えているといった症状は、体が妊娠に適した状態ではないことを示しています。
このような状態では、子宮の血流が悪く、着床しづらい環境になっていることも多く、受精卵が育ちにくい土壌となってしまいます。
これは自然妊娠に限らず、人工的な方法による妊娠であっても同じです。
どんなに高度な治療を行っても、受け入れる側の身体環境が整っていなければ、その効果は限定的になってしまいます。
つまり、妊活において「方法」ばかりを追いかけても、土台である身体の状態が妊娠に適していなければ、結果にはつながらないのです。
不妊治療は、妊娠を「助ける」手段です。
しかし、年齢や時間のプレッシャーから「とにかく早く」「とにかく試す」という選択をしてしまうと、かえって効率の悪い妊活になりかねません。
効率の良い妊活とは、自分の身体の状態を正しく理解し、妊娠に必要な条件を整えたうえで、必要な治療や方法を選択することです。
それは時間や回数では測れない、確実に妊娠へと近づく道です。
妊娠のために本当に大切なのは、あなたの「からだ」という土台。
その土台を整えることこそが、最も効率的な妊活の第一歩になると考えています。
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