「妊娠させる力」を持った精子とは
明らかな医学的原因がなく、しかし、とても深刻な事情として「男性力」が挙げられると思っています。
どうしても、女性の体づくりが優先されるため、注目されにくいですが、一陽館薬局に不妊相談にお越しくださるご夫婦の半数以上に見受けられるのではないでしょうか。
あくまでも、一陽館薬局の相談の場での個人的な見解ですが、半数は女性側のみ、1割は男性側のみ、そして4割は男女に改善の余地あり、といったイメージです。
ただし、男性側の問題は、程度の差もあり、決定的な原因となりきらないことも多いため、見逃されがちかもしれません。
精液検査では、濃度・運動率・形態などが評価されますが、実際にはそれだけで“受精能力”を語ることはできません。
たとえば近年注目されているのがDNA断片化率(DFI)。
これは、精子のDNAがどの程度損傷しているかを示す指標で、DFIが高いほど受精後の胚発育や着床に悪影響を与えるとされています。
DNAが壊れる原因の多くは酸化ストレスです。
過剰な活性酸素が精子にダメージを与え、運動性や形態だけでなく、内側の遺伝情報にまで傷をつけてしまうというのです。
酸化ストレスを高める要因は以下のようなものがあげられます。
●睡眠不足・ストレス・過労
●喫煙・飲酒
●高温環境(長時間のサウナ、膝上PC、きつい下着など)
●炎症(前立腺炎、精巣静脈瘤など)
●加齢(35歳以降で顕著)
実際、男性不妊の原因の約4割は精子の酸化ダメージに関係しているとも言われています。
では、漢方から見る「精子力」とはどういった意味合いになるでしょうか。
精子は「腎精」により生みだされると考えられています。
腎精とは、生命の根本となるエネルギーであり、成長・生殖・老化すべてをつかさどる“エッセンス”のようなものといえます。
腎が弱れば、精子の産生力も低下します。
そして、いわゆる「酸化ストレス」にあたるものは、漢方では「熱」「瘀血」「気滞」として表現されることが多く、以下のような体質を指が該当すると考えられます。
■腎虚:年齢や疲労による精の不足⇒精子の質・数ともに低下
■瘀血:血流の滞りにより、睾丸への栄養供給が低下⇒精子形成が不安定に
■肝鬱・気滞:ストレスが原因となりホルモンのリズムが乱れる⇒精子の成熟に影響
一陽館薬局が開発した桃福宝では、漢方的サポートが期待できます。
「妊娠させる力を持った精子」のためには、腎を補い、血を巡らせ、ストレスを緩和することが基本となります。
「妊娠させる力」は、目に見える検査数値だけではわかりませんが、“腎精”や“巡り”といった内面のバランスを整えていくことで、精子にも好ましい変化が見られるはずです。
検査で「精子の数は十分だから問題ない」と安心される方が少なくありませんが、本当に大切なのは、卵子と同様に“数”よりも“質”です。
つまり「妊娠させる力」を持った精子と「妊娠できる力」を持った卵子が出会うことが、妊娠の成立に直結します。
「命を育む力」を引き出し、さらにご夫婦の力でパワーアップしていきましょう。
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