「なんとなく」で選んでいませんか?~ご自身に合った”体づくり”の選び方~
日常的にサプリメントを取り入れている方は、今ではとても多くなりました。
特に妊活中の方の中には、葉酸や鉄、ビタミンDなど、さまざまな栄養素が含まれた妊活を意識したサプリメントを活用されている方もいらっしゃると思います。
しかし、いざ「そのサプリメントをなぜ飲んでいるのですか?」とお尋ねすると、
「友人にすすめられたから」
「ネットで話題になっていたから」
というように、はっきりとした理由がないまま選んでいるケースも少なくありません。
もちろん、誰かにすすめられたり、口コミを見て興味を持つこと自体は悪いことではありません。
ですが、「なんとなく良さそうだから」と飲んでいると、
そのサプリメントの本来の役割や、自分にとって本当に必要なものかどうかが見えにくくなってしまうことがあります。
さらに、妊活系のサプリメントには複数の成分が一度に配合されていることも多く、気づかないうちに他のサプリメントと成分が重複していることもあり、、思わぬ過剰摂取につながるおそれもあります。
だからこそ、”今飲んでいるサプリメントが「何のために、どんな役割を果たしているのか?」”についても、しっかり知ったうえで、ご自身に合ったものを選ぶことがとても大切です。
妊活系のサプリメントの目的は、栄養素の“量”を補うことです。
たとえば葉酸、鉄分、ビタミンDなど、体にとって必要な栄養素が不足している場合、それを効率よく補給することで、体内の栄養バランスが整い、不調の回復につながることがあり、栄養素が足りていないことで調子が不安定になっている方には、とても効果的な方法です。
しかし、ここで気をつけたいのは、”栄養が足りていない状態が改善された=体質が整った” わけではないということ。
サプリメントはあくまでも「不足している栄養を補う」ものであり、身体の働きそのものを変えていく、いわゆる「体質改善」とは異なるアプローチなのです。
漢方も複数の生薬で構成されたものという点では似ているのかもしれませんが、「今の体にどんな偏り(=不調の元)が生じているのか?」という視点で体質を見極め、体全体のバランスを整えることを目的としている点でサプリメントとは異なります。
ポイントは、ただ単に「この生薬は〇〇に効く」と個々の生薬レベルで見るのではなく、生薬同士の組み合わせ(配合)によって作用が変化するという点です。
たとえば、婦人科三大処方のひとつ「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」には「桂枝」という生薬が含まれていますが、この処方では瘀血(おけつ)体質の改善=血流をよくする目的で使われます。
ところが、「桂枝湯」では同じ桂枝が風邪の初期症状に使われたり、「柴胡桂枝湯」では胃腸症状や精神的な不調に使われたりと、同じ生薬でも組み合わせ次第で効く場所や目的が変わるのが、漢方の大きな特徴です。
たとえば貧血の場合に、もしも「鉄分不足による貧血」でお悩みなら、サプリメントで鉄分を補うことで不調が和らぐかもしれません。
これは「足りない栄養を補っている」ということですね。
一方で、漢方では、単に鉄分を摂取するのではなく、血液を作る力(造血機能)そのものを高めるように働きかけていきます。
つまり、「鉄を足す」のではなく、「鉄を自分の体で生み出せるように整える」というアプローチです。
結果として、血の質も良くなり、冷えや月経の不調、肌荒れなど、さまざまなトラブルの根本から改善につながることもあります。
サプリメントも漢方も、それぞれに良さがあります。
どちらが正解、というわけではありません。
でも、目的やアプローチの違いを知ることで、
「今の自分にはどちらが必要か?」という視点を持つことができます。
大切なのは、なんとなくではなく、“自分の体に合った選び方”ができているかどうか。
日々のケアをもっと意味のあるものにするために、サプリメントも漢方も、目的や役割をしっかり理解したうえで、賢く取り入れていきましょう。
一陽館薬局では、お客さまお一人おひとりに合った方法を一緒に考え、ご提案しています。
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