生理周期が乱れる理由〜遺残卵胞とは 〜
「なんだか基礎体温が変?」と思ったら”遺残卵胞”でした・・・ということがあります。
病院ではホルモン剤を服用して生理を起こすよう提案されたり、これからどうなっていくのだろう、と不安の声が聞かれます。
特に不妊治療のサイクルの中ではよくある現象かもしれませんが、排卵に乱れを生じることも多いため、解消するまでは、気が気ではないのではないでしょうか。
遺残卵胞とは、本来、排卵期には卵胞が成熟して卵子を排出し、排卵後は黄体に変化していくという経過を辿るものが何らかの原因で排卵が起こらず、卵胞が卵巣内にとどまり続ける状態をいいます。
この卵胞は自然に吸収されることもありますが、吸収されず残ると、次周期の排卵に影響を与えたり、ホルモンバランスを乱したりする原因になります。
超音波検査で卵巣内に大きめの卵胞が持続して存在すが確認されることで診断されることが多いです。
遺残卵胞はどうして起きるのでしょうか。
医学的な原因としては、主にホルモンバランスの乱れ(LHサージの不足やプロゲステロン分泌不全)なども考えられますが、「排卵誘発剤の影響」や「ストレスや生活習慣の乱れによるホルモン分泌に関わるシステム(視床下部-下垂体-卵巣系の機能)の不調」「加齢による卵巣機能の低下」も要因となります。
排卵誘発剤の影響では、本来は1周期に1つの成熟卵が排卵を迎える過程で、排卵候補となっていた卵胞は、退縮していきますが、誘発刺激により排卵には至らないがそこそこ育った中途半端な卵胞が存在することとなり、排卵せずに居座ってしまうわけです。
一陽館薬局では漢方により遺残卵胞の解消を促すよう働きかけます。
漢方的には「痰湿」「瘀血」「腎虚」といった体質的、または不妊治療薬によるバランスの乱れを背景に起こると考え対応を検討します。
基本的にまず注目するのは「腎」の働きです。
腎は、生殖の力、生命力の源であり、加齢や慢性的な疲労によって腎の力が弱ると、卵胞発育力やホルモン活動そのものが落ちてしまいます。
また、卵胞が排出されずに残ってしまう背景には「瘀血」や「痰湿」といった“停滞”の症状が関係していることがあげられます。
これらは、気血水の巡りが悪くなり、体内に“古いもの”や“余分なもの”が滞る状態を指します。
漢方理論では、瘀血を取り除き、骨盤内の血流を改善すること、冷えによる月経異常や血の巡りの改善すること、腎の力を補い、排卵力の底上げを図ること、ストレスが影響している場合の気血の巡りの調整などの点からアプローチします。
遺残卵胞は、周期が乱れたり、排卵しづらくなることで妊娠のチャンスを妨げる要因にもなる可能性も考えられます。
一陽館薬局では、お体全体のバランスを整え、本来の排卵を回復することを目指します。
月経の様子や基礎体温の変化、日常の不調などにもサインが見受けられます。
気になる症状があれば、ぜひ早めにご相談ください。
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